振り返り…

2024年もたくさんの方にレモネードスタンドつくばを応援していただきありがとうございました。

私が2020年6月のレモネードスタンドの日に始めた第1回から

つくばで小児がん支援団体、ヒスターズナウつくば @histarsnowtsukuba を共同代表のみりさんと立ち上げ、

これまで計61回、総額1,141,630円を小児がん研究支援団体・NPO法人日本小児がん研究グループに寄附してきました。

1杯100円のレモネードを延べ1万人を超える方に手渡し、ただひたすら

「小児がんってこんな病気なんです」

「未だに不治の病と言われるものがあって、未来のない子どもたちがいるんです」

「今、この瞬間も小児がんと向き合う人たちにエールを送りたい」

ということを伝えてきました。

つくばだけで1万人もの人が、レモネードで小児がんの子どもたちと家族にエールを送ってくれている、

こんな温かい街を地元民である私は誇りに思っています。

いつも応援してくださる皆様に改めて感謝申し上げます。

それでも研究支援に充てられた金額はわずか100万円

次男の病気、小児脳幹部グリオーマ(DIPG)は未だ有効な治療法は確立されておらず、

余命わずか1年。

極めて予後不良の悪性脳腫瘍です。

日本では年間40~70人の子どもに発症していると言われています。

年少人口(0~14歳)でみる確率で言えば0.0003%、

極めて0に近いけど、30万人に1人の割合で確かにいる病気です。

でも数が少ないからと研究対象から外されてしまいます。

より多くの子どもを救うために限りある資源を有効に使うこと、もちろん理解はしています。

100万円で治療薬ができるのか、

たった1杯100円のレモネードで日本での小児がん治療研究が進むのか、

製薬会社や国を動かせるかという人もいる。

私は製薬会社の社長でも、資産家でもないし、ましてや、仕事も家庭もあって、生活費をコツコツ稼ぐ一市民の主婦がそんなことできないのは百も承知。

それでも、自分にできることだけでも続けると心に決めています。

想いを伝えたい…

次男・善高が発症してから亡くなるまでの6カ月、

そして亡くなってから今日まで4年2か月、

私がどんな思いで過ごし、この活動を続けてきたかをCancer Tears @cancertears_official さんが記事にまとめてくれました。

DIPGご家族には、この記事を読むのをためらう内容かもしれません。

この病気と向き合うご家族にはいろんな想いがあるので、共感できないこともあると思います。

でもこの病気を知らない人には「こんな病気と必死に向き合っている家族がいる」ということを知ってほしいなと思いました。

読む人の中には、

「なんでこんなに淡々とあっさりしてるんだろう」

と思う人もいるかもしれない。

「治療を諦めて、我が子の死を受け入れた人」

と見る人もいる。

「いつかこの病気が治ることを願ってレモネードスタンドをやる」

なんてきれいごと。そんなことよりも

「奇跡を信じて、もっと藻掻いて、我が子の命を救う努力をすべきだった」

という人もいる。

葛藤の中から見つけた希望の光

自分でもそう思うこともあります。

でも、ある日突然意識を失って、そのまま息を引き取ることもあった…

積極的治療を行うことで、我が子に精神的身体的負担を与えるだけでなく、一瞬で亡くなるリスクもあった…

それがわずか3%だと言われても、万が一があることを知ってしまった私たち家族には、

そのリスクをとってまで、家族離れて過ごさなければいけない時間を作ることはできなかった。

2歳の次男にはまだ、「未来」も「死」も良くわからなかったと思うんです。

だからこそ「

今日一日、笑顔で過ごそう。明日があったらラッキーだと思おう」

と自分に言い聞かせて、ただひたすらに「楽しい家族の時間」と「笑顔のお母さん」を息子の心の中に遺してあげたかった。

家族4人揃って過ごす最期の1カ月、

「今、本人は痛いのでしょうか、苦しいのでしょうか」

と主治医に尋ねたとき、

「脳幹部の腫瘍は神経を麻痺させます。痛みも感じにくいと思いますよ」

と言われたときに唯一安堵したことを今でも鮮明に覚えています。

本当は痛かったかもしれない、苦しかったかもしれない、でも息子は

話すことも泣くことも表情さえも、感情を伝えるすべをすべて失われていたから

せめて、そうあって欲しいと主治医を信じようと心から思った瞬間でした。

世界中探しても医者も研究者もだれも助けられない、神も仏もいない、いったい何を信じればいいのか…

絶望の中で過ごす私にとっては唯一見つけた希望の光アレックス・レモネードスタンドでした。

繋がる想い

アレックスはわずか4歳で自らも小児がんを患いながら、

同じ病気の子どもたちのためにとレモネードスタンドを開き病院に寄付したその想い。

我が子を、私たち家族を「助けたい・救いたい」と思ってくれる人がいる。

ただそれだけで私の心は救われました。

だから今もこれからも、

息子を無き者にしたくない…

確かに私たち家族の元に生まれ、今は姿は見えなくても息子の存在を感じながら…

私と同じような境遇にある方たちにエールの気持ちだけでも送り

そして誰かとその想いを共有できる場所として細々とでも続けていけたらいいなと思っています。

2024.12.28

ヒスターズナウつくば代表 照井美穂